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残業代の基礎となる賃金


会社からもらう基本給以外の手当は、残業代の基礎となる賃金に含まれますか?

残業代の計算

 通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額×割増率(労基法37条1項)が、残業代の計算方法です(1時間当たりの単価(残業代の計算)も参照)。

 多くの労働者は、会社から基本給以外に、様々な手当が支給されています。残業代請求では、会社が支給する手当が、ここでいう賃金に含まれるか?が争いになることがあります。

残業代には、含まない賃金

 残業代の基礎となる賃金に、家族手当、通勤手当その他省令で定める賃金は含まれません(労基法37条5項)。これらを除外賃金と呼んでいます。

 休業手当(労基法26条)や労災保険の給付基礎日額(労災保険法8条1項)等の基礎となる平均賃金(労基法12条)とは、除外する賃金が異なるので、注意が必要です。

残業代に含まない手当

 家族手当・通勤手当・別居手当・子女教育手当・住宅手当が除外されます(労基法施行規則21条)。これらの手当は、労働の内容や量と無関係な労働者の個人的な事情によって支給されるものなので、除外されています。

 手当の名称にかかわらず、実質的にこれらの手当といえるかどうか?によって判断します。たとえば、通勤手当という名称で支給されていても、通勤ルートや実際の交通費にかかわらず一律に同額が支給されているような場合は、除外賃金に含まないと考えれます。

臨時に支払われた賃金も残業代に含まない

 労基法施行規則21条4号で除外されます。臨時的・突発的事由に基づいて支払われたもの及び結婚手当等支給条件は予め確定されているが,支給事由の発生が不確定であり,かつ,非常に稀に発生するものが,臨時に支払われた賃金の定義です。

 通常の労働時間又は労働日の賃金ではないので,除外されています。

1か月を超える期間ごとに支払われる賃金は,残業代に含まない

 労基法施行規則21条5号によって,除外賃金とされています。典型的にはボーナスです。他には,1か月を超える期間についての勤続手当,精勤手当などが該当します。

 ボーナス等を残業代に含めないのは,計算技術上,割増賃金への算入が困難であるからと説明されています。

 ただし,年俸制で,年度当初に年俸額を決定した上で,年俸の一部を賞与として支払う場合は,賞与は臨時に支払われる賃金ではないため,残業代の計算に当たっては除外されません。


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