求人情報に記載された労働条件が、入社後の実際の労働条件と異なることがあります。この場合、違法なのでしょうか?労働者は、労働条件が、異なることを理由に、会社を辞めることはできないのでしょうか?
労働条件が求人情報と異なる
会社に就職後の労働条件が、会社の募集要項、求人広告や求人票の条件と異なっている場合があります。
求人情報と実際の労働条件が異なっているからといって、直ちに、違法というわけではありません。
労働契約は、使用者である会社と労働者が合意することで成立します。募集要項や求人広告などは、労働契約の申込みの誘引に当たります。つまり、求職者が会社の求人に応募し履歴書等を送っても、労働契約は成立しないのです。
採用面接等の過程で、会社から実際の労働条件を示され、求職者がその条件に合意することで、労働契約が成立します。
したがって、求人情報と実際の労働条件が異なっても、それだけでは違法とは言えません。
求人詐欺
求職者を集めるために、最初から変更ありきで好待遇の労働条件を求人情報に載せ、採用後は、不利な条件で労働させると、求人詐欺の可能性があります。
虚偽の広告・条件を提示して労働者を募集すると、職業安定法65条8項により、罰則があります。
労働条件の明示義務
労働契約の締結に際し、会社は、労働者に労働条件を明示する義務があります(労基法15条1項)。
労働条件を明示するのは、労働契約の締結時です。採用内定の時点で、労働契約が成立していると解される場合は、内定時に明示しなければなりません。
労働契約の締結は、新卒採用、中途採用に限りません。有期労働契約の更新、転籍、事業譲渡先による採用、定年後の再雇用なども対象です。
明示すべき内容
書面により必ず明示しなければならない労働条件は、以下のとおりです(労基法施行規則5条1項)。
書面で必ず明示する必要がある労働条件
①労働契約の期間
②有期労働契約の更新基準
③就業場所、従事する業務
④労働時間、休日
⑤賃金
⑥退職、解雇
会社が定めをする場合は、以下の労働条件も明示する必要があります。
会社が定めた場合は、明示が必要な労働条件
⑦退職金
⑧賞与等の臨時に支払われる賃金
⑨食費等の労働者負担
⑩安全衛生
⑪職業訓練
⑫災害補償
⑬表彰、制裁
⑭休職
明示された労働条件が実際と異なる場合の即時解除
労働契約の締結時に会社が明示した労働条件が実際の労働条件と異なっている場合、労働者は、労働契約を即時に解除できます(労基法15条2項)。
期間の定めのない労働契約は解除に2週間の予告期間が必要です(民法627条1項)。期間の定めのない労働契約は、やむを得ない事由がなければ、解除ができません(民法628条1項前段)。

詳細は、以下の「会社を辞めたい-辞職の話し-」を参照
しかし、会社が明示した労働条件が実際の労働条件と異なる場合は、上記の制約なく、直ちに、労働契約を解除できます。