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コンテナ倉庫を建造物侵入罪の建造物と判断した最高裁決定


コンテナ倉庫を建造物侵入罪の建造物と判断した最高裁決定を紹介します。

最高裁令和7年10月21日決定

 コンテナ倉庫が建造物侵入罪(刑法130条)の「建造物」に当たるか?が争われた事件です。

建造物

 建造物侵入罪の建造物とは、屋蓋があり壁や柱で支えられて土地に定着し、人の起居出入りに適した構造物の内、住居・邸宅以外のもののことです。

 裁判例では、万博記念公園にある太陽の塔や警察署のコンクリート塀なども建造物に当たるとされています。

最高裁の判断

 最高裁は、コンテナ倉庫は建造物に当たると判断しました。

 原判決の認定及び記録によれば、本件コンテナ倉庫は、奥行き約1,240㎝、幅約240㎝、高さ約288㎝の大きさの鉄製のコンテナが土地上に設置されたものであり、設置されて以降3年10か月以上の間、移動されることなく、電気を電柱から電線で引き込んでタイヤ等を保管する倉庫として継続的に使用されていたというものである。以上の事実関係の下では、本件コンテナ倉庫は、移動が容易でなく土地に置かれて継続的に使用される物であり、その形態及び使用の実態に照らし、社会通念上土地に定着しているといえるから、上記改正前の刑法130条にいう「建造物」に当たるというべきである。基礎が打たれていないこと等の所論が指摘する事情は、本件コンテナ倉庫が上記「建造物」に当たることを否定すべきものとは認められない。したがって、被告人について、建造物侵入罪の成立を認めた第1審判決を是認した原判決の判断は正当である。 


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