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政党が破産申立てできると判断した最高裁決定


政党が破産申立てできるか?を判断した最高裁決定を紹介します。

最高裁令和7年10月20日決定

 政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律(以下、「法」という。)7条の2第1項の法人である政党が破産申立てできるか?が争点になった最高裁決定です。

最高裁の判断

 破産法13条は、破産手続に関し、民訴法28条の規定を準用しているから、民法上の権利能力を有する者は、破産手続開始の決定を受けるべき適格を有するのが原則であるというべきである。また、法が、解散した法人である政党等について、破産手続開始の決定を受けた場合の規定を置いていることからしても(10条の9)、法人である政党等が、およそ破産手続の対象となり得ない性質の法人であると考えることはできず、それが解散したものでない場合であっても、破産手続開始の原因となる事実があるときに破産手続の対象とすべき必要性が生じ得ることは、解散した法人である政党等の場合と異なるところはない。法10条2項が破産手続開始の決定を解散事由に掲げていないのは、法人である政党等が、破産手続の開始によって解散せず、破産手続が終了したときにもその法人格を失わないことを意味するにすぎないと解するのが相当である(破産法35条参照)。

 政党助成法4条1項の趣旨目的は、国が、政党交付金を交付するに当たり、政党の政治活動の自由を阻害することがないようにすることにあるところ、解散していない法人である政党等が、破産手続開始の決定を受け、政党交付金を含む自らの財産の管理処分権を失うことがあるとしても、当該財産は当該法人の自由な政治活動のために生じた破産債権に対する配当の原資等になるのであって、同項の趣旨目的に反するものではない。また、同法33条2項に基づき、総務大臣から政党交付金の返還命令を受ける場合があり得るとしても、そのことは、法人である政党等が解散していない限り破産手続の対象となり得ないと考えるべき根拠とはならない。

 そのほかに、解散していない法人である政党等が破産手続開始の決定を受けるべき適格を有しないと解すべき法令上の根拠はない。

 以上によれば、法人である政党等は、法10条1項又は2項の規定により解散したものでない場合であっても、破産手続開始の決定を受けるべき適格を有すると解するのが相当である。


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