要配慮個人情報を含む個人情報を取得する際の規律について取上げます。

個人情報の適正な取得

 個人情報取扱事業者が個人情報を取得する際には,不正な手段によって個人情報を取得することが禁止されています。

個人情報保護法17条

1 個人情報取扱事業者は,偽りその他不正の手段により個人情報を取得してはならない。

2 個人情報取扱事業者は,次に掲げる場合を除くほか,あらかじめ本人の同意を得ないで,要配慮個人情報を取得してはならない。

 ①法令に基づく場合

 ②人の生命,身体又は財産の保護のために必要がある場合であって,本人の同意を得ることが困難であるとき

 ③公衆衛生の向上又は児童の健全な育成の推進のために特に必要がある場合であって,本人の同意を得ることが困難であるとき

 ④国の機関若しくは地方公共団体又はその委託を受けた者が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合であって,本人の同意を得ることにより当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれのあるとき

 ⑤当該要配慮個人情報が,本人,国の機関若しくは地方公共団体,第76条1項各号に掲げる者その他個人情報保護委員会規則で定める者により公開されている場合

 ⑥その他前各号に掲げる場合に準ずるものとして政令で定める場合

偽りその他不正の手段

 虚偽の利用目的を告げて個人情報を取得することや,本人に録音していることを隠して個人情報を聞き出したり,私的な行為の写真を隠し撮りするといった行為が当たります。

 不正に取得された個人情報であることを認識しながら二次的に取得することもこの規定に違反すると解されます。

 なお,個人情報取扱事業者は,第三者から個人データの提供を受ける際は,その第三者が個人データを入手した経緯を確認する義務を負います(26条1項2号)。

要配慮個人情報の取得

 個人情報保護法は,要配慮個人情報の取得を原則として禁止しています。要配慮個人情報が不当な差別や偏見を生じさせるものであり,差別や偏見による個人の権利利益の侵害を防止するためには,取得自体を禁止することが最も効果的であるとの考えに基づくものです(要配慮個人情報の話しも参照)。

あらかじめ本人の同意を得ないで

 要配慮個人情報の取得が禁止されるのは,個人の権利利益を保護するためであるので,あらかじめ本人の同意を得た場合は,要配慮個人情報の取得が認められます。

 事前の同意を得ずに要配慮個人情報を取得し,事後の同意が得られなかった時点で利用・提供を停止しても,すでに個人の権利利益に対する侵害が生じており,完全な救済は困難です。

 したがって,事後の同意による要配慮個人情報の取得は認められていません。

 本人の同意を得ないで要配慮個人情報の取得が認められる場合が規定されています。個人情報の目的による制限の例外の規定に準じたものになっています。