2024年11月1日に施行されるフリーランス保護法の取引適正化の内、取引条件の明示を取り上げます。
フリーランス保護法における取引適正化
フリーランス保護法は、フリーランスの保護のため、①取引の適正化と②就業環境の整備の2つを規律しています。
①取引の適正化は、2つの義務と7つの遵守事項を定めています。
取引条件の明示義務
取引適正化の義務の1つが、取引条件の明示義務です。業務委託事業者は、フリーランスに業務委託をした場合、直ちに、以下の事項を明示しなければなりません。
業務委託をした日
フリーランス保護法において、各種の起算日となる重要な日です。
報酬の額
報酬の額として、具体的な金額を明示することが困難なやむを得ない事情がある場合は、算定方法を明示することで足ります。
未定事項がある場合
上記の明示事項の内、未定事項がある場合は、①未定事項の内容が定められない理由と②未定事項を定めることのできる予定期日を明示しなければなりません。
明示の方法
上記の明示事項は、直ちに、書面又は電磁的方法で明示しなければなりません。
業務委託契約書に明示事項が記載されていれば、改めて明示事項を明示する必要はありません。
フリーランス保護法と下請法の両方が適用される場合は、同じ書面又は電磁的記録に、両法の記載事項を一括して明示することができます。
電磁的記録
電子メール、SNSのDMが該当します。
明示事項を電子メールの本文に記載する必要はなく、明示事項を記載した添付ファイルを送信しても構いません。
また、明示事項を記載したWebサイトのURLを電子メールで送信しても構いません。
なお、ブログのコメント欄に書き込んだり、Webサイトに記載しただけでは、明示したことにはなりません。
電磁的記録で明示した場合でも、フリーランスから書面の交付を求められた場合は、遅滞なく書面を交付しなければなりません。