2024年11月1日に施行されるフリーランス保護法が定める就業環境の整備の内、ハラスメント対策に係る体勢整備義務をまとめておきます。
フリーランス保護法における就業環境の整備
フリーランス保護法は、フリーランスの保護のため、①取引の適正化と②就業環境の整備の2つを規律しています。
②就業環境の整備として、4つの義務を定めています。
ハラスメント対策に係る体勢整備義務
特定業務委託事業者は、ハラスメント行為により特定受託事業者の就業環境を害することがないように、相談対応等の体勢整備その他の必要な措置を講じる義務を負います。
また、特定業務委託事業者は、特定受託事業者がハラスメントに関する相談等を行ったことを理由として、不利益な取扱いをしてはいけません。
ここでいうハラスメントは、①パワハラ、②セクハラ、③マタニティハラスメントです。
特定業務委託事業者が講じるべき措置
特定業務委託事業者が講じるべき措置は、以下の3つです。労働法に基づき雇用主として講じているハラスメント対策の社内体勢・ツールを活用することも考えられます。
①ハラスメント行為の禁止の方針の明確化、方針の周知・啓発
ハラスメント行為を禁止する方針を明確化し、従業員に対する研修や社内報等により、周知・啓発を行います。
さらに、就業規則で懲戒規定を定めるといったハラスメント行為を行った者を厳重に対処する方針の明確化と周知を行います。
②相談に応じ適切に対応する体勢整備
外部機関への委託等による相談を受付ける相談窓口の設置を行います。そして、契約書等に相談窓口の案内を記載する等、フリーランスへの周知を行います。さらに、相談窓口担当者による適切な対応を行えるようマニュアル等を整備します。
③ハラスメントへの事後の迅速かつ適切な対応
まずは、事実関係を迅速かつ適切に把握する必要があります。相談者・行為者の双方からの事実関係の確認、場合によっては第三者への聴取も行います。
ハラスメントの事実があったと確認できた場合、被害者に対する配慮措置を適切に実施します。