法律事務所エソラ

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通勤・移動時間は労働時間になるか?(残業代請求の争点)


移動時間を労働時間として残業代請求できますか?

通勤時間は労働時間ではない

 通勤は、労働者が労務提供を行うための債務の履行準備行為です。つまり、使用者の指揮命令下に入っていない労務提供以前の段階の行為です。したがって、通勤時間は、労働時間ではありません。

 自宅から最初の営業先への移動時間も通勤時間であって、労働時間ではないと解されています。自宅から職場に直行・直帰した場合や出張の際に、会社から明示又は黙示に移動時間中に何らかの業務を行うように指示されていない限り、労働時間ではないと解されています。

出張の移動時間も労働時間ではない

 交通機関で移動する出張中の旅行時間は、交通機関に乗車し目的地に着けばよく、その間に、具体的な業務はなく、自由に過ごせる場合は、拘束時間ではあるが、休憩時間・自由時間で労働時間ではありません。

 厚労省の通達でも、出張中の休日はその日に旅行する等の場合であっても、旅行中における物品の監視等別段の指示がある場合以外は休日労働として扱わなくていいとしています(昭和23年3月17日基発461号等)。

 裁判例においても、おおむね労働時間ではないと判断されています。

会社にいったん立ち寄った場合の移動時間

 建築工事など、会社に工事用車両などを停車しているので、会社にいったん立ち寄った後、工事現場に行くことが多いと思います。会社から工事現場までの移動時間が労働時間かどうかは、ケースバイケースです。

 会社に立ち寄って、会社の車両に資材を積込み、当日入る現場や留意事項等の業務打合せが行われ、当日入る現場の番割りについて親方の指示を待ち、そこで現場が決まり、現場から会社に戻り、後片付けが行われていた事案では、会社から現場までの移動時間も労働時間とされています(東京地裁平成20年2月22日判決)。

 一方、会社の立ち寄りが単なる集合時間的なもので、その場で点呼、打合せ等何ら業務は行われず集合して現場に赴く場合、会社から現場までの移動は労働時間ではないとされています(東京地裁平成14年11月15日判決)。


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