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破産手続開始決定を受けた株式会社が被告人の刑事裁判に関する最高裁決定


破産手続開始決定を受けた株式会社の刑事裁判に関する最高裁決定を紹介します。

 株式会社が破産手続開始決定を受けると、解散します(会社法471条5号)。もっとも、破産手続の終了までは、清算目的で存続します(破産法53条)。

 刑訴法339条1項4号は、被告人である法人が存続しなくなったときは、公訴を棄却しなければならないと規定しています。

 破産手続開始決定を受けた株式会社が、起訴された場合、公訴は棄却されるのでしょうか?

事案の概要

 被告会社は、令和2年5月21日、破産手続開始の決定を受け、破産管財人が選任されていたところ、同年9月29日及び同年12月8日、本件で起訴された。被告会社の破産手続は、令和3年4月21日、破産手続終結の決定により終了した。第1審裁判所は、前記破産手続終結の決定の前後を通じて、破産手続開始当時の代表取締役であったAを被告会社の代表者として審理し、令和5年7月11日、有罪の判決をした。これに対し、被告会社が控訴を申し立てた。原審裁判所は、Aを被告会社の代表者として審理し、令和6年10月17日、控訴棄却の判決をした。

最高裁の判断

 最高裁は、公訴は棄却されないと判断しました。

 破産手続開始の決定を受けた破産会社を被告人とする刑事事件が係属している場合には、破産手続が終了したとしても、現務が結了していないから、当該会社は、当該刑事事件が終結するまでは、清算株式会社として存続するというべきである。

 そうすると、破産会社を被告人とする刑事事件が係属している場合には、破産手続が終了したとしても、刑訴法339条1項4号にいう「被告人たる法人が存続しなくなつたとき」に当たらないと解するのが相当である。したがって、本件は公訴棄却の決定をすべき場合に当たらず、所論は理由がない。

 破産手続開始当時の取締役は、破産手続開始によりその地位を当然には失わないというべきである。そして、破産会社を被告人とする刑事事件に係る訴訟手続について破産会社を代表することは、破産管財人の権限に属するものとはいえない。そうすると、破産手続開始当時の会社を代表する権限を有する取締役は、破産手続開始によりその地位を当然には失わず、破産手続が終了するまでの間、破産会社を被告人とする刑事事件に係る訴訟手続について破産会社を代表すると解すべきである。また、破産会社を被告人とする刑事事件が係属している場合において、破産手続が終了したときは、前記のとおり、当該会社は、当該刑事事件が終結するまで、清算株式会社として存続するところ、会社法478条1項1号において取締役が清算人となるとされていることに鑑みると、破産会社を被告人とする刑事事件に係る訴訟手続について破産会社を代表する取締役は、同項2号又は3号に掲げる者がある場合を除き、破産手続の終了後は、当該刑事事件に係る訴訟手続について清算人の立場で当該会社を代表すると解すべきである。

 したがって、以上と同旨の解釈に基づき、本件において破産手続開始当時に被告会社の代表取締役であったAを被告会社の代表者として関与させた第1審の訴訟手続を是認した原判決及びAを被告会社の代表者として関与させた原審の訴訟手続に法令違反はない。


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