法律事務所エソラ

大阪市東淀川区阪急淡路駅・西口すぐの法律事務所、債務整理・交通事故・労災・残業代請求は無料相談実施中

事前予約で夜間・土日祝日の相談も可能です06-6195-6503受付時間 9:00-18:00 [ 土・日・祝日除く ]

メールでのお問合せはこちら お気軽にお問い合わせください

下水道に汚水等を流す行為が廃棄物処理法の不法投棄罪に当たると判断した最高裁決定


下水道に汚水等を流す行為について、廃棄物処理法の不法投棄罪の成立を認めた最高裁決定を紹介します。

 みだりに廃棄物を捨てるいわゆる不法投棄は、禁止されています(廃棄物処理法16条)。違反すると、5年以下の拘禁刑若しくは1000万円以下の罰金又はその両方が課されます(廃棄物処理法25条1項14号)。

 下水道に汚水を放流する行為が、下水道法との関係で、廃棄物処理法の不法投棄に当たるのか?が問題になりました。

にゃソラ

「破産手続開始決定を受けた株式会社が被告人の刑事裁判に関する最高裁決定」と同じ決定です。

破産手続開始決定を受けた株式会社が被告人の刑事裁判に関する最高裁決定

破産手続開始決定を受けた株式会社が被告人の刑事裁判の裁判手続きを進められるか?を判断した最高裁決定を紹介します。

公訴事実

 被告人は、被告会社の業務に関し、その従業員らと共謀の上、平成28年1月頃から令和元年8月頃までの間、被告会社の設置する産業廃棄物中間処理施設において、みだりに、同施設から公共下水道内に廃棄物である汚泥及び汚水合計約3万6800トンを放流させ、もってみだりに廃棄物を捨てた。

最高裁の判断

 最高裁は、廃棄物処理法の不法投棄罪の成立を認めました。

 廃棄物の処理及び清掃に関する法律は、廃棄物の適正な処理をすること等により生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的とし(1条)、何人に対してもみだりに廃棄物を捨てることを禁止しており、廃棄物の種類や投棄場所による限定もしていない(16条)。その罰則は、生活環境に深刻な影響を及ぼす不法投棄が横行し、その解決が強く求められたことから、累次にわたり強化され、5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金又はこれの併科(法人の場合は3億円以下の罰金)という重い法定刑が定められている(25条1項14号、32条1項1号)。そうすると、不法投棄罪は、みだりに廃棄物を捨てる行為全般を、社会的に許容されない行為として重く処罰する趣旨のものであると解される。

 一方、下水道法は、下水道の整備を図り、もって都市の健全な発達及び公衆衛生の向上に寄与し、公共用水域の水質の保全に資する(1条)という見地から、下水の水質等について具体的な規制を定め、特定事業場から基準に適合しない下水を排除する行為を6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処すること(12条の2第1項、46条1項1号)、下水道管理者の命令に違反する行為を1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処すること(38条1項1号、45条)等の罰則を設けている。これらの罰則は、同法の規制の実効性を確保するため、必要な限度で定められているものといえる。

 以上によれば、不法投棄罪と下水道法の罰則とでは、構成要件、法定刑等が大きく異なり、規定の趣旨、目的も異なると考えられ、下水道法の罰則は、不法投棄罪の特別規定ではなく、同罪の適用を排除する趣旨のものでもないと解される。そうすると、汚水を下水道に放流する行為が、下水道法によって基準に適合しない下水の排除として規制され、同法の罰則の対象となり得るとしても、同行為がみだりに廃棄物を捨てたものと認められる場合には、不法投棄罪が成立するというべきである。

 したがって、不法投棄罪の成立を認めた第1審判決を是認した原判決は相当である。


PAGE TOP