個人情報保護法が改正され,5000件要件が撤廃されたので,すべての個人情報取扱事業者が個人情報保護法の適用を受けることになります(個人情報取扱事業者参照)。そこで,個人情報取扱事業者の義務の概略を挙げておきます。

個人情報取扱事業者の義務

 個人情報取扱事業者の義務としては,次の①~⑭までが考えられます。そのうち,④~⑩に関しては,個人データに限定した義務です。

①利用目的の特定,利用目的による制限(15条,16条)

 個人情報を取得する際に,個人情報の利用目的を特定する必要があります。そして,特定した利用目的に従って個人情報を利用しなければなりません。

②適正な取得(17条)

 そもそも,個人情報を不正に入手してはならない義務を負います。また,要配慮個人情報については,本人の同意を得ることなく取得することは原則としてできません。

③取得に際しての利用目的の通知等(18条)

 個人情報を取得する際は,あらかじめ本人にその利用目的を明示する必要があります。

④データ内容の正確性の確保(19条)

 利用目的達成に必要な範囲において,個人データを正確かつ最新の内容に保つように努めなければなりません。利用する必要がなくなった場合は遅滞なく個人データを消去する努力義務があります。

⑤安全管理措置(20条)

 個人データの管理について安全管理措置を講じなければなりません。安全管理措置の内容は様々なものが考えられ,事業者の規模に応じて,適切な措置を講じる必要があります。

⑥従業者の監督,委託先の監督(21条)

 個人データの利用について,従業者や委託先を監督する必要があります。

⑦第三者提供の制限(23条)

 個人データを第三者に提供する場合,本人の同意を得るか,オプトアウトの措置を取ることが必要です。

⑧外国にある第三者提供の制限(24条)

 外国の第三者に個人データを提供する場合は,原則として,あらかじめ,本人の同意を得る必要があります。

⑨第三者提供に係る記録の作成(25条)

 個人データを第三者に提供した場合,①提供した年月日,②提供した第三者の氏名・名称等を記録する必要があります。

⑩第三者提供を受ける際の確認(26条)

 第三者から個人データの提供を受ける場合,①提供を受ける第三者の氏名・名称,②個人データ取得の経緯を確認する必要があります。

⑪保有個人データに関する事項の公表(27条)

 保有個人データに関して,利用目的等を公表する必要があります。本人からの請求により遅滞なく回答することでも足りるとされています。

⑫開示,訂正,利用停止(28条~30条)

 本人から請求があった場合,個人情報の開示,訂正,利用停止に応じなければなりません。

⑬個人情報取扱事業者による苦情処理(35条)

 個人情報の取扱いに関する苦情について,適切かつ迅速な処理に努める必要があります。

⑭匿名加工情報の作成(36条)

 匿名加工情報を作成する場合,①特定の個人を識別できない,②作成に用いる個人情報を復元できないように加工しなければなりません。