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刑事記録の閲覧に関する最高裁決定


刑事記録の閲覧に関する最高裁決定を紹介します。

最高裁令和5年1月30日決定

 刑事裁判の記録の閲覧に関する最高裁決定です。検察官が行った記録の一部閲覧不許可処分に対する不服申立の管轄裁判所が、問題になりました。

事案の概要

 申立人が、東京簡裁の略式命令により終結した政治資金規正法違反被告事件に係る刑事確定訴訟記録の閲覧請求をしたところ、本件保管記録の保管検察官が、閲覧を一部不許可としました。そこで、申立人が東京簡裁に準抗告を申し立てたという事案です。

刑事確定訴訟記録法等の規定

 法2条1項・4条1項・2項、検察庁法2条1項によれば、本件保管記録を保管し、閲覧に関する処分をすべき保管検察官は、略式命令をした東京簡易裁判所に対応する検察庁の検察官である東京区検察庁の検察官である。法8条は、保管検察官の閲覧に関する処分に不服がある閲覧請求者は、その保管検察官が所属する検察庁の対応する裁判所に準抗告を申し立てることができるとしている。

原審の判断

 原決定は、申立人宛ての閲覧一部不許可通知書の作成者の肩書が「東京地方検察庁保管検察官」と記載されていることを根拠に、本件準抗告の管轄裁判所は、東京地方検察庁の対応する東京地方裁判所であるとし、東京簡易裁判所に申し立てられた本件準抗告は不適法であるとしてこれを棄却した。

最高裁の判断

 本件閲覧一部不許可処分は、検察庁法12条、関係通達に基づき、東京地方検察庁に属する検察官が東京区検察庁の検察官の事務を取り扱ってしたものであると認められる。このように、地方検察庁に属する検察官が区検察庁の検察官の事務取扱いとして保管記録の閲覧に関する処分をした場合、当該区検察庁の対応する簡易裁判所は、法8条1項にいう「保管検察官が所属する検察庁の対応する裁判所」に当たるというべきである。

 東京簡易裁判所は本件準抗告の管轄裁判所でないとして、本件閲覧一部不許可処分の当否を審査しないまま、本件準抗告を棄却した原決定には、決定に影響を及ぼすべき法令違反があり、これを取り消さなければ著しく正義に反するものと認められる。


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